未来の空間に杭を打つ

つれずれなるままの日常と妄想

夏休みには『チュベローズで待ってる AGE32』を読もう

昨日の『チュベローズで待ってるAGE22』に続いて、今日は『チュベローズで待ってるAGE32』の紹介をしていきたいと思います。

 

AGE32は、題名の通りAGE22から10年が経った設定で始まります。主人公も無事にゲーム会社への入社を果たし、成果を出した大人となっています。

 

AGE22の頃には見られない余裕が感じられて、あれ、物足りないとかんじていたら、やはりですね!問題が発生してきます。

 

それも、会社の問題と家族の問題

 

そうですよね、大人というのは大体この2つの問題を抱えているものです。

 

そして、10年前のホスト仲間との再会が元仕事場のボスのお通夜というら形で実現します。そこから、元恋人の死の真相に導かれます。

 

そこに、今の上司の秘密が絡められているのは面白い所です。

 

仕事のトラブル解決や、家族の問題の解決のストーリーもありますが、やはり、この物語は恋愛のその後として読んでしまいます。

 

展開は非常にアクロバティックで、いきなり終わります。あまりの偶然に、え?そこでこの展開?と、思う場面もありましたが

 

最後のシーンには心揺さぶられるものがありました。10年も前の恋愛にまだ心を残していた主人公には共感し、主人公の心の本質に触れることができたきがしました。

 

この主人公への共感という部分は大変大切な部分で、もし、まったく共感できない主人公がでてくるお話だと、なんで?どうして?と、疑問ばかり湧いてきてなかなか先に進めません。お話に入りこめないのです。

 

けれども、この『チュベローズで待ってるAGE32』の主人公は、成功者なのに人間的な弱さや、軋みをみせてくれるので共感する事ができるのです。

 

そう言えば、著者の加藤シゲアキさんは先日32歳になられましたね。この『チュベローズで待ってるAGE32』を書いていたのは数年前ですから、数年先を生きている主人公をイメージして書かれた事になりますが、これが「成功した大人」だったと言うのはシゲの向上心の高さをうかがわせる所でしょうか・・・

 

これからも作家として楽しみな人です。

 

先日の自身のラジオで、新作の長編小説の執筆にかかっていると発表された加藤シゲアキさん、来年あたりには新刊がでるかもしれません。その前にぜひこの『チュベローズで待ってるAGE32』を読んでみてください。面白いですよー